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高音厨の真実:高音が好まれる傾向と、でも高音だけでは響かない理由

🎤 はじめに:「高音厨」って何?

ネットやSNSでよく聞く言葉に “高音厨” があります。

高い声が大好きで、歌唱において高音を最重要視するタイプの人たちを指す言葉です。

確かに音楽シーンでは、 男性でも非常に高い声で歌う人気曲が増えている という傾向が見られます。

特にヒットソングの上位では、高めのボーカルレンジが目立つデータもあります。たとえば 2019 年の Billboard Hot 100 でトップ10入りした男性ボーカル曲の多くが、従来の平均より高い音域で歌われていたという観察もあります。

🎶 なぜ高音が好まれるのか?

① “耳に届きやすい”という特徴

高い声は、伴奏の中でも 音の重なりに埋もれにくく目立ちやすい という性質があります。

ポップスやR&Bなどの多くのジャンルで、メロディをしっかり目立たせるために高音寄りのフレーズが使われがちです。

② 好みと文化的傾向

現代のポップミュージックでは、テナー〜ファルセット域の声が多くの人気曲で聞かれる傾向があり、

この流れが “高い声=魅力的” という感覚を強めています。

📊 男性の平均的な音域ってどれくらい?

一般的に、男性の平均的な声域は以下のように言われています。

  • 地声(チェストボイス):だいたい C3〜G4 程度
  • 裏声(ヘッドボイス/ファルセット):E4〜C5 程度

これを超えると、男性でも “高い声” と感じられる領域です。

つまり、現代の人気曲で高音が評価される背景には、

男性がよく出す地声の上限を越える声域が魅力として使われている という実感があります。

🎧 でも高音だけじゃ“響かない”

ここで大切なのは、 高音がすごければいいわけではない という点です。

音楽を感じる大きな要素は、

  • 音程
  • 抑揚(ダイナミクス)
  • フレーズの流れ

など多岐にわたります。

たとえば ずっと同じ高音・同じ音量で歌っても、人は響いて感じません。

これは音楽理論的にも説明できます。

クラシック理論やポップスの作曲論では、 平坦なフレーズ(音高・リズム・ダイナミクスが変わらない) は退屈に感じやすいと言われています。「C メジャーコードしかない曲がずっと続くとつまらない」 のと同じです。

高音は目立つ分、そこに**変化や流れ(クレッシェンドや間の取り方)**が組み合わさることで、初めて “強く響く感動” を生みます。

単純に高音を追うだけではなく、そこにストーリー性と起伏が必要なのです。

🔥 高音が響いて聞こえるためのポイント

以下のような要素が絡むと、単純な高音でも“うまく”聞こえるようになります:

① クレッシェンド(音量の盛り上がり)

  • 高音になるにつれて自然に盛り上がるフレーズは感情を引き出します。

② メロディとコードの動き

  • スケールや和音進行が単調だと、高音でも印象が弱くなります。
    音楽的な流れがあることで “高音が生きる”。

③ 抑揚とブレイク

  • 音量・表現・タイミングの変化があると、
    高音がアクセントとして効きます。

🎼 まとめ:高音は魅力だが、使い方が全て

  • 現代のポップシーンでは、男性でも高い音域で歌う人気曲が多い傾向がある(高音がイメージ戦略になっている)。 
  • しかし、高音だけを追求しても音楽として響くわけではない。
  • 音楽は 起伏・流れ・構造 があって初めて高音の魅力が活きる。

高音厨の感性は大事ですが、

高音を“鳴らす”だけじゃなく、音楽全体として感じられる工夫こそが本質です。

🧠 コラム:C メジャーだけじゃつまらない理由

音楽理論では、同じキー・同じコードばかりでは人の興味を保ちにくいことが知られています。

同じように、声の高さや音量だけが一定だと、聞き手は“刺激”や“物語”を感じにくくなります。高音を単独で追うのではなく、表現の起伏と組み合わせることが響きにつながります。